ここでは、お釈迦様の入涅槃にあたり、参集した五十二衆のうち、天部・天衆に関係する四天王等を
絵解きしてみました。
八部衆の中に天衆という区分があり
梵天、帝釈天、四天王等がその中に
おいでになりますが、別途、ここで
紹介していきます。
麻耶夫人
世尊のご生母麻耶夫人は、世尊を御出産なさった功徳により?利天にお生まれになり
帝釈天の后となっておられた。
阿那律尊者は、如来を聖棺に納め終えられて、急ぎ?利天に昇り、麻耶夫人にこのいきさつを
ご報告になった。夫人がいたく驚き、悲しまれたのも無理からぬことであった。しかし、
しばらくして、心づかれ、程なく荼毘も始まるであろうからと、急ぎ阿那律尊者の先導で
沙羅双樹のもとに下って行かれた。
江戸時代の涅槃図には、阿那律尊者に
先導されて、?利天から麻耶夫人が
右側上空より、天降ってこられる姿が
描かれている。
まれに、左からのものもある。
勝川寺の涅槃図は左からとなっている。
天女がもっているのはさしば。
本来的には送風の道具であるが、
日本では、古墳祭祀にかかわる
威儀行列の道具とされる。
梵天 (ぼんてん)
帝釈天 (たいしゃくてん)
ヒンズー教では、梵天は世界の創造神 ブラフマン、帝釈天は、英雄神であり太陽神インドラ
でした。ともに、仏教に取り入れられてからは、仏教の守護神として二体一具で安置されます。
特に帝釈天は、阿修羅と壮絶な戦いをしたことで知られるように、常に武装しますが、
梵天は、哲学的な神であったため、武装しない姿にあらわされます。
中央が
帝釈天と思うのですが決めてなし。
鎧でも見えれば間違いないのですが・・・
中央が
梵天と思うのですが、決め手なし。
四天王
四天王は、欲界の六欲天の中、初天をいい、また、この天に住む仏教における四人の守護神を
いう。この四天王が住む天を四王天、あるいは、四大王衆天とも言う。
六欲天の第一天、四大王衆天の主。
須弥山頂上の?利天に住む帝釈天に仕え、八部鬼衆を所属支配し、その中腹でともに
仏教を守護する。
須弥の四洲を守護し、?利天主 帝釈天の外臣である。
持国天 東・・・洲を守護 乾闥婆、毘舎遮を眷属とする。
増長天 南・・・洲を守護 鳩槃茶 (くばんだ)を眷属。
広目天 西・・・洲を守護 龍神を眷属。
多聞天 北・・・洲を守護 夜叉、羅刹を眷属。 多聞天の別名が毘沙門天。
さて、四天王の絵解き、なかなかむつかしい。
わからないなりに表現した。
後日、解明できた時に訂正することで・・・
増長天
一般に皮製の鎧をつけた
唐代の武将風の姿で表される。
胎蔵界曼荼羅では、体色は赤肉色。
右手は、右胸の前で剣を持ち
左手は、拳にして右腰に置く姿で
描かれている。
確率20%
持国天
一般に皮製の鎧をつけた
唐代の武将風の姿で表される。
胎蔵界曼荼羅では、体色は赤色。
右手を拳にして右腰に置き
左手に刀を持つ姿で描かれている。
絵の天とは、まるで違うが?
確率10%
広目天
一般に皮製の鎧をつけた
唐代の武将風の姿で表される。
胎蔵界曼荼羅では、体色は赤色。
右手は、三叉戟を持ち
左手は、拳にして右腰に置く姿で
描かれている。
天平時代のものは、筆を持ち、巻物に
字を書く姿で表されている。
確率20%
多聞天
一般に皮製の鎧をつけた
唐代の武将風の姿で表される。
右手は宝棒、左手は、宝塔を捧げもつ
姿で表される。
中国では、緑色の顔とされる。
確率30%
韋駄天
増長天の八将の一神、四天王下の三十二将中、首位を占める天部の仏神。
特に、伽藍を守る護法神とされる。
禅宗では、厨房や僧坊を守る御法神。
持物が宝塔なら、多聞天かも?
でも、壷に見えるが・・・
唐風の甲冑を着け、剣を持つ姿が多い。
韋駄天走りの言葉がある。
韋駄天が釈尊のために、方々を駆け巡って
食物を集めたとの俗信により
御馳走という言葉ができたとのこと。
絵は、食べものの壷なのだろうか?