動物       

涅槃図には、沢山の動物が描かれています。
ここでは、主要な動物を説明します。

釈迦の入涅槃に集まった動物は、五十二類とされる。
『涅槃経』によれば、動物はその類三十四億と説かれていることから
ただ涅槃図に描かれている五十二種の動物だけではない。

















獅子


大経によれば、獅子を須弥山王と説く。
獣の中の王を意味する。
獅子が、穴より首を出すと、世界中の獣の
足が立たなくなり、一声吼えると
もろもろの獣が死ぬという。
如来の説法を獅子吼というのも
獅子の強さの意からきている。













涅槃図では、獅子と像が大きく下段中央に
描かれるが、ともに世尊の両脇侍の
文殊菩薩、普賢菩薩の乗り物で、
世尊とは縁が深い。
涅槃図中の象が、ときに6本牙(4本牙もある)
で、描かれたものもあるが、これは普賢菩薩が
のられる象が6本の牙を持つのに由来する。









迦陵頻伽 (かりょうびんが)


殻の中にいる時からよく鳴き、その声を聞くものは
あきることがないという美声の鳥。
極楽浄土に住み、人頭鳥身でほとんどの涅槃図に
描かれている。

この絵のかりょうびんがは年増の・・・のようだ








犀 (さい)


涅槃図には、頭上に角を持ち、背中に亀のごとき
甲羅をまとう、現実には存在しない獣が描かれて
いるが、この動物は犀の霊獣化されたものという。
「 水犀」ともいわれる。
犀の角は犀角といって、昔から解熱や解毒剤として
利用していたから、その存在は知られて
いたのだろうが、生きている姿が知られず、大陸から
犀の図案化されたこうした姿が伝えられ
定着したものであろう。


江戸時代の涅槃図には多く見られ、
その容姿もほぼ同一といえる。









虎と豹 (とらとひょう)


江戸時代の涅槃図には、虎と豹が
仲良く並んで描かれていることが多い。
当時の人々は、虎がオス、豹がメスで
二匹は夫婦と思っていたのだという。
なお、涅槃経にはでてこない。













動物・左側
   霊獣麒麟がいるようだ?

























動物・右側
   バッタがいる。龍もいるようだ。



























猫がいない!
麻耶夫人は、天から薬袋を投じますが、沙羅双樹の枝に引っかかってしまい、届きませんでした。
お釈迦様のために、ねずみが薬袋を取りにいこうとしたら、猫がねずみを殺したため、、お釈迦様はくすりを
飲めずに亡くなった。そのため猫を寄せ付けなかった。
したがって、涅槃図に猫はいないのです。・・・
この、薬袋説は、江戸時代初期からあったが、経典に基づくものではなかった。間違い。
現在では、経典から、薬袋ではなく、仏鉢と理解されている。



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  本日は、ホームページをごらん下され、ありがとうございました。
  涅槃図の絵解きが、さらに進みましたら、更新する予定です。
  では、また。