【恵心僧都御作弥陀観音勢至由来記】（Ｂ‐８）

二月十五日

大日如来阿弥陀如来芳山房記之縁陀羅尼山財賀寺

恵心僧都御作弥陀観音勢至由来記

右之三尊者いにしへ三河国司大江定基此辺上宿村居住し□ふ時赤坂の遊君力寿を寵愛せし尓彼女身満かりて定基悲しみの餘り当所文殊山の麓尓寺を建力寿山舌根寺と号し恵心僧都尓請て弥陀三尊を彫造し彼寺の本尊とせり七百餘年尓及中□彼寺頽廃すといへとも右之三尊今尓（いまに）是あり尊像損壊を再興せん事を願者也

享保十三年二月日財賀寺

現住如海誌

【本堂再建冥加上納ニ付】（Ｂ‐９）

覚

一金拾両

御本堂御再建之植木□□□為冥加上納仕候当時御修覆ニ御用被下候ハヽ本懐之至ニ奉存候以上

当国為当村

願主　坂蔵　印

寛政八年同倅　長三郎　印

辰十二月

財賀寺

御役僧中様

【勧学西林について本寺へ報告】（Ｂ‐11）

（端裏書）

申四月廿六日登山之刻本寺ヘ上ル書付也

（本文）

一西林坊義往古者無之坊ニ而御座候西林坊相立候よ里今度追出仕候西林坊源秀迄四代ニ罷成候往古西林与申賣僧非事吏同国小坂井村住居仕候處ニ拙僧ヨリ四代以前玄泉を申僧当寺住職之刻彼賣僧西林義山内ニ庵室を御差置申候玄泉弟子勢応住職之刻ヨリ初而寺役申付為相勤申候事

一勧学坊義者往古之坊名ニ而御座候然共勧学坊住僧頼遍と申僧相果年久敷無住ニ罷成候處拙僧よ里三代以前勢応住職之刻鳳来寺真言学頭宥慶之同宿祐真与申僧ニ勧学坊之名越申渡勧学坊二度取立申候勢応義鳳来寺月蔵院と当寺兼帯ニ罷在候故右之通ニ御座候

一御公儀御年頭当寺代々拙僧鐘無断絶当住持相勤来候尤参府之刻勧学西林義者毎度伴僧ニ召連申候鐘ニ而御公儀表之義寺中之者共相勤候義ハ全無御座候古来ヨリ御公儀御諷裡或者御朱印御改且又頂戴之義当寺代々住持拙僧鐘相勤候刻御朱印所持罷有候尤山内領内万端仕置等代々当寺ヨリ申付候事

申四月廿六日本寺ヘ出ス書付